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宝塚歌劇退団ブーケ特集

宝塚歌劇退団セレモニー密着ルポ(スミレにまつわる秘話編)

宝塚歌劇団のジェンヌさんの退団パレードの沿道を飾ったスミレにまつわる秘話をご紹介します。
今回はスミレの生産者の方への取材を通して、 退団ブーケやセレモニーで使う花への「らんすいえん」や生産者の想いやこだわり、気づかいなどを改めて感じるお話となっています。

7月中旬 予期せぬ注文

突然、日頃からお世話になっている「らんすいえん」さんから、退団セレモニーで使う“スミレ”の注文の相談。
らんすいえんの林社長から宝塚歌劇への思い、こだわりをお聞きして、大切なセレモニーに自分達がお手伝いできることをとても光栄に思った反面、責任重大であることをヒシヒシと感じました。
ビックリしたのは、注文頂いた数量は3,5寸の大きさのポット株が最低1400個予備として200個。
合計1600個と言うことは、2500個の生産の準備をしなければならないのです。
さぁ~、8月から当日の10月29日までの3ヶ月この “スミレ”に思いを込めて育成です。

8月6日 播種(種まき)

ビオラは種が小さく細かい為、真空播種機を使い種を蒔く。これは神経を使う作業の始まり。

播種(種まき)から定植までの期間は約一ヶ月。この期間は花壇苗生産において、また、GREEN DAYにとっても一番重要な期間であり、気温の高い夏場の苗管理で(ビオラ)の運命が80%決定すると言っても過言ではないと言えるほどだ。

例年、丹波篠山ではお盆を過ぎると夜温が下がり始めるが、今年はこの異常とも言える気温差になかなか気温が下がらず、天候に振り回され例年になく管理に苦労し、毎度の事ではあるものの、胃がチクチク・・・さあ胃痛の始まりです。

9月12日 定植

プラグトレーで出来上がった苗をピンセットで一本ずつポットに定植していく。定植作業には日数がかかり過ぎると出荷時に開花が揃わない。速さと、正確さが求められる為、パートさんの出番となり、今回は1万本をパートさん四人、一日半で終える事ができた。

*定植時の二日のずれは、出荷時には一週間の差となる。

9月中旬 管理~仕上げまで

定植作業を終え、これから約一ヶ月半、毎日絶えず苗の具合や成長を観察していく作業となる。
この期間は苗達が天候・気温・病気等に成長を妨げられる時期となる為、目が離せないのです。

通常ハウスでの栽培は、露地での栽培に比べ短期間で栽培が可能で有る事は知っている人も多いと思うのですが・・・雨風に当たりながら育つ苗(露地苗)は温室の中で育つ苗に比べ、自然の気温の変化や病気や害虫に強いと言える。
ここでハウス栽培にあたってのGREEN DAYのこだわりとして

その1 開花を急ぐのではなく「根」を作る

その2 出来るだけ露地の環境に近い状況を作る

この2つにおいて、植物自身が持っている「抵抗力」を引き出し、ハウスでも「自然咲き」に近い強い苗を作りあげる事。

9月下旬 葉の変色

さて、そろそろ2週間が過ぎ・・・
苗の様子が微妙に変化し始める・・・一番気にかけていた病気の出現!!(親葉が変色してくる)

まず農薬散布開始!数回繰り返し、一時、苗達の危機的状況となる。

まだまだ9月下旬になっても気温が高い・・・

このあたりから10月28日納品が頭をよぎり不安が募るが、苗達の成長を日々見守るしかないのが現実。

やっと10月に入ったところで気温が安定してきた為、苗達の病気が治まり、少しホッとする。しかし、納品という苗達の嫁入りまで気を抜けない。

10月中旬 苗達の開花

ここからは仕上げに入り、ハウスの開閉で温度調節を行い、苗を揃えていく。

9月からの定植・管理・仕上げにおいて、予想もつかないトラブルに遭いながら納期を迎える。

10月28日

手しおにかけた苗達のきれいな姿での嫁入りともなる出荷完了!!

同時に・・・チクチクの胃の痛みもスーと治まる!!!

最後に生産者「GREEN DAY」さんの一言

僕が作る花苗は精一杯の愛情を込め、優しく厳しく育てていますが、まだ・・・「未完成」  の商品なのです。
その理由は、旅立っていった花苗達がお客様のお庭で元気に美しく育って初めて・・・「完 成」  と思えるからです。
それが、GREEN DAYの「自然咲きビオラ」なのです。

兵庫県篠山市風深115-3
GREEN DAY  代表 上本 浩之

らんすいえん 店長 林秀起の想い

GREEN DAY の上本さんが手塩にかけて育ててくださったスミレが、千秋楽前日に無事納品され、いよいよ翌日の「スミレの嫁入り」準備となりました。
GREEN DAY さんが嫁を送り出す親元とすれば、らんすいえんは、その最後の衣装・化粧担当といったところでしょうか。

今回は、先にかすみ草で土台を作り、その上にスミレのポットを並べる形を取りました。
もちろん第一には、退団パレード(最後の花道)となる沿道を華やかに明るく彩ることが一番ですが、実はもうひとつの意味も込めていたのです。
この沿道に「スミレの苗」をそのまま利用したのは、GREEN DAY さんの「旅立っていった花苗達がお客様のお庭で元気に美しく育ってこそ完成」という気持ちを汲んで、思い出をそのまま、お客様の庭にずっと根付かせていただきたいとの思いでした。

それで、退団パレード終了後はこのスミレたちを大事に大事に、フェアウェルパーティ会場である宝塚ホテルに運び、そちらの装飾で利用していたスミレ達と共に、パーティ参加のお客様方のお土産にさせていただきました。